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1−2−2 ホタテガイ漁業を太宗とするオホーツク海漁業
オホーツク海域は、宗谷岬(稚内市)から納沙布岬(根室市)までの範囲の海域で、夏季から秋季には宗谷暖流(対馬暖流)の影響を受け、冬季から春季には東カラフト寒流の影響を受ける。厳冬期には流氷が接岸し操業ができなくなるため、間接的に水産資源の保護にも役立っていると考えられる。
この沿岸域は岩礁地帯が少なくほぼ全域が砂浜地帯で、ホタテガイの一大産地になっている。
オホーツク海地域は、漁業経営体数、漁協数、漁協組合員数のいずれもが全道のほぼ1割と少ないものの、漁業生産高は生産量、生産額ともに全道のほぼ2割を占めており、漁業経営体数や漁協数の割合に比べ経営規模が大きいという特徴がある。
平成6年のオホーツク海地域で生産額の最も大きい漁業種類はほたてけたで、全体のほぼ半分を占めている。次いで、さけ定置が約1割でこの2つの漁業種類で全体の約6割を占め、栽培漁業のウエイトが高く、北海道の中でも最も安定している地域となっている。

海域別漁業種類別生産設構成比(平成6年)

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1−2−3 さけ定置網とコンブの太平洋太平洋海域は、襟裳岬を境に以東海域と以西海域で異なった特徴かある。納沙布岬(根室市)から襟裳岬(えりも町)までの以東海域は、寒流である親潮の影響を受け1年を通じて比較的水温が低い状態にある。沖合では親潮と黒潮がぶつかり合い潮境が形成され、世界でも有数の漁場となっている。東部の沿岸域は岩礁か多くナガコンブか生産されており、西部は砂浜地帯になっている。襟裳岬(えりも町)から恵山岬(椴法華村)までの以西海域は、主として津軽暖流の影響を受けるが、沿岸域は冬から春にかけては襟裳岬を迂回する寒流の影響を受ける。この海域には北海道で唯Oの内湾である噴火湾があり、ほたて員養殖漁業が盛んである。また、この海域の両端は岩礁地帯となっており、マコンブやミヅイシコンブの生産地となっている。

 

太平洋海域では、漁業経営体数及ぴ漁協組合員数が全道のほぼ半分、漁協数が約4割を占めており、漁業生産高は生産量、生産額ともに全道の過半を占めている。襟裳岬以東の地域では比較的経営規模が大きく、襟裳岬以西の地域では漁業経営体数や漁協数の割合に対して比較的漁業生産高が低いといった特徴がある。

 

 

 

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